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2013年7月17日水曜日

大海の孤島Atlansia ~ギター編~

日本を代表するギターメーカーが数多く存在する長野県松本市
そこに居を構える孤高のギターメーカー
Atlansiaのギターを今日は紹介したいと思います

Century

独特なルックスとハンドメイドならではの気品と美しさを兼ね備えていますね
ところでこの形状・・どこかで見たことがあると思いませんか?


自分が愛してやまないAriaProⅡのPE-1500にそっくりです
それもそのはず
このAtlansiaというメーカーは当時マツモク工業に在籍しており
1978年にこのPE-1500のデザインをした林信秋氏が独立して立ち上げたギターメーカーなのです

↓Atlansiaホームページのリンク
http://www.atlansia.jp/

ホームページの作りも独特ですね
この方はギターはおろか、ギター製作の工作機械まで自分で作り上げ、
ホームページも一から作りあげています
既製品のコピーものではなく、新しくものを作って行こうとするという姿勢がかっこいいです

何を隠そう自分はAtlansiaファンです
いつかここでギターを作ってもらおうとお金をためてます

さて、次のギターを紹介しましょう

Pentagon

これもまた独特ですね
Atlansiaの特徴として、一見奇をてらった変形ギターと思われがちですが
実はものすごく考えて作られているギターなのです
たとえばカッタウェイの部分は


このように三次元的な形状になっており
ギターとしての強度を維持しつつ最大限ハイポジションが弾きやすい構造になっています
しかも驚くべきはこのパラボラカッタウェイを考案したのはAtlansiaが最初だということです


コントロール部分も一体化・独立化することによりメンテナンス性、効率性をアップし
ノイズシールドも高い効果を得られるそうです

ここまで細部までこだわりぬいて作られるギターがかつてあったでしょうか?

よくある高級ギターは基本性能は変わらずに多くは装飾や贅沢な杢が出た高級材を
あしらったものがほとんどです
しかし、Atlansiaは違います



クラフトマンとして、材木の一番美味しいところをむさぼり、残った部分に配慮が行かなかった。有効利用を考えずに好きなように材を取り、かかった材料費をPRICEに添加して、製品が売れれば損は無いからそれでいいという 乱暴な辻褄合わせの発想の時代は終わったのだ。これだけ色々なところで、森林資源保護、自然愛護が叫ばれる時代になると、木材資源で恩恵を受けているものの一人として、何か出来ることはないかと考える。今の世の中の状況がもっと深刻になると、木材を使った楽器には 天然資源保護税とか 緑化税がかかってくる可能性は十分考えられる。アトランシアでは 希少材料さざ波模様や、 鳥の目模様のような銘木材を追い求める気持ちを少し抑え、その分、木材の取り合わせでDESIGNを工夫してみたり、楽器としての本質を高める、 機能性を重視した他のハードウエアなどに、向けられるようにと考えている。



巻頭の文に戻るが、我々クラフトマンも今までのように、ただギターを作っているわけには行かなくなってきている。人々の心を癒すいい音のする楽器作りは、自然環境保護、森林資源保護を無視しては出来ない世の中になってきたようである。作った楽器を自慢げにかざしても、それが環境破壊につながっているとしたら、心の痛むことだ。この人間性素材を如何に使うか、発想の転換が迫られ、取り組む姿勢が求められている。環境破壊の原因を突き詰めていくと、皮肉にも、自分が地球上で生活していること自体が地球環境を破壊しているようだ。(笑) 創造大陸からのメッセージ  N.Hayashi
 

 
-Atlansiaホームページより抜粋
 
林さんは楽器製作における環境への影響まで考えながら楽器製作を行っているのです
 
 

↑ネック一本分の木材で二本分のネックが作れるスリムネック(StealthBassに使用)
 
Stealth
 
こちらも独特ですが鋭角的なフォルムがかっこいいです
 
ネットにはAtlansiaの音源がほとんど無いのですが
ヴィン★セントさんの「この店で一番高いギターを弾かせてくれ!」
のコーナーで紹介されています
 
↓そのときの記事へのリンク
 
 

Victoria

流れるようなフォルムが美しいギターですね
サウンドホールが鳥の形をしているのがおしゃれです
ボディエンドの黒い部分はゴムになっています
地面に置いてもボディが傷つかないようになってるんでしょうか


Peleske

こちらは特に前衛的ですね
先ほど紹介した一体型コントロールキャビティと
可動型ひじあてと座って弾くときの補助パーツがついています


また、ペグ部分にヘッドで固定した弦をヘッド裏からスクリューで引っ張り込む
ユニークなペグを採用しています
こんなペグを考案しちゃうのがすごいですね・・・

Pegasus

このギターが自分が今一番ほしいモデルです
何よりもその形状の独特さがかっこいいです
ボディ材はアルダーですがやや重めのようでストラトタイプとはまた違った音色のようです

また、Atlansiaの特徴として工場ラインで生産してるわけではなく
発注してから一本一本製作しているのでオーダーメードが可能という部分にあります
たとえばこのPegasusにしても

OM90
"PEGASUS GUITAR MODEL /three single pick-up"
with Flapman Tremolo


PEGASUS with ROTUS ROOT & FR

PEGASUS GUITAR with FLOYD

"PEGASUS GUITAR WITH FR"


このように数多くの仕様、マイナーチェンジものがあるので
むしろ同じものがあるほうがめずらしいと思います
 
Atlansiaのギターは決して安くない値段です
ただ、本物の素材を使い細部までこだわられたギターを作るには仕方が無い部分もあります
むしろここまでこだわられたギターとしては高くはない値段だと自分は思っています
 
いつの日かAtlansiaにオーダーできる日を夢見て!